そんな名前の女性に心当たりは……。 「いいえ」 首を横に振りながら答えた。 ――トントン ノックの音がしたと同時に事務所のドアが開いて 「おじゃまするよー」 芙美さんが入ってきた。 なんてグッドタイミング。 「二人がうちの前を通ったのが見えたものだから。はい、これはお芋の煮っ転がし」 大きなタッパーをドンとテーブルに置いた。 「いつもありがとうございます」