薫子様、一大事でございます!


端正な顔立ちだとは思っていたけれど、こんなに近くで北見さんの顔をまじまじと見たのは初めてかもしれない。


布団に顔を押し付けた状態でも整っているなんて、ちょっとズルイ。


自分の寝顔を想像して、一人で勝手に傷つく。


鼻がちょっとだけ上を向いていたら、どうなるのかしら。

北見さんの鼻の頭へムギュっと指を押し当てる。


――ぷっ。


北見さんでも豚になるんだ。


それじゃ、目がもう少し垂れていたら?


今度は目じりに指を伸ばす。


人差し指で軽く下に向かって押さえた。


――ふふふ。
面白い。