薫子様、一大事でございます!


……こんなに飲んだの?


ここへ入る前に買ってきたビールや焼酎は、ほとんどが北見さんのお腹におさまったらしい。


満足そうな寝顔を見て、つい笑ってしまった。


とりあえず北見さんに毛布を掛けて、私はその隣に座ることにした。


大画面のテレビをつけ、音量のボリュームを下げる。


たまたまつけた旅番組をぼんやり眺めているうちに、私まで眠くなってしまった。


こんな状況で眠くなる私も、相当図太いのかも。

北見さんは私を変わっていると言うけれど、それは正しいことなのかもしれない。


……そういえば。
私を迎えに出る直前に、芙美さんが依頼人を連れて来たって言っていたけれど。


一体どんな依頼だったんだろう。