薫子様、一大事でございます!


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「……あの……お先にすみませんでした」


状況もわきまえないで、ついしてしまった長湯。


こちらに背を向けた状態でソファに座っている北見さんは、私が声を掛けても微動だにしなかった。


「……北見さん?」


そろりそろりとその前へ回り込んでみる。

すると、ソファの肘掛に片腕を立てて、その手に頭をもたれかけた状態で眠っているようだった。


ツンツンと肩先を突く。


……反応なし。


本当に眠っちゃったみたいだ。


テーブルには飲み終えたお酒の缶が、所狭しと並んでいた。