薫子様、一大事でございます!


……もう、やだ。


あまりにも恥ずかしくて身体を縮めた。


「カコちゃんの希望とあらば、俺は一緒に入ってもいいんだけど?」

「――い、いえっ、いいです。一人でいいです」


意地悪な顔をする北見さんに、大袈裟とも取れる拒否を示した。


一緒にお風呂なんてとんでもない。

そればかりか、あのバスルームじゃ、一人でさえ無理。


だって、ガラス張りなんて……。


黙り込んだ私を見て、何を思ったのか、北見さんが「あっ」と言いながら立ち上がる。


……どうしたのかな。


その様子を目で追っていると、北見さんはバスルームへと入っていった。