薫子様、一大事でございます!


ビールの缶を突き出した。


「……いえ、大丈夫です」


お酒に酔って、変なことを口走ったりしたら大変。
丁重に断った。


「それじゃ、風呂でも入る?」

「――っ」


ま、まさか二人一緒に、なんてことでは……ないよね。


必要以上に身体が強張る。


「……カコちゃん、今もしかして妙な想像した?」

「――えっ」


ギクリとする。


「やっぱりね」


クククと堪えるように北見さんが笑う。