薫子様、一大事でございます!


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初めて足を踏み入れた部屋は、私が想像していたよりも広かった。


ゴテゴテした安っぽい造りをイメージしていたけれど、ビジネスホテルと大差のないシンプルな部屋だった。


違うことといえば、バスルームがガラス張りになっていて、ベッドが円形の大きなものだということ。



……それだけで充分な違いなのだけれど。



それに圧倒されて立ち尽くす私を


「座れば?」


北見さんはソファへと誘った。


「悪かったな、カコちゃん」

「何がですか?」