薫子様、一大事でございます!


ピンクと紫のネオンが灯る建物。


――あれはもしかして。


ドキンと鼓動が跳ねる。


ここからはその上半分程度しか見えないけれど……。

周りの景観とのアンバランスさは、どの建物にも真似ができない。


「どうする? カコちゃん」


――どうしよう!
ラ、ラ、ラ、ラブホテルなんて!


恋愛経験のない私には、当然のことながらそんなところに泊まった経験もない。

いきなりハードルの上がった経験を目の前に突きつけられて、困惑する一方なのだった。


「……やっぱりやめよう。他に何か――」

「いえっ、大丈夫です。あそこにしましょう。あそこしかありません。もういい大人ですし。ええ、大丈夫ですから」