何か困っているようなことなんてあったかしら。 依頼人の欄には、芙美さんの名前が書かれていたのだ。 芙美さんの顔を一旦見た後、すぐに報告書に戻した。 依頼事項は――…… …………。 どうして……? すぐには理解し難かった。 「芙美さん、これは……?」 「勝手なことをしてごめんよ。でも、どうしても放っておけなくてね」 芙美さんは申し訳なさそうに肩をすくめた。