薫子様、一大事でございます!


北見さんは私を立たせて腕を掴むと、「失礼します」と私を伴って部屋を出ると

ふらつく足に気づいた北見さんは、私の肩を抱え込むようにして歩き出したのだった。



「ったく、飲みすぎなんだよ」

「……ごめんなさい」

「一応職務中なんだぞ?」


それを言われると、耳がとても痛い。


「あの……早川さんが部屋に私を連れ込んだのは、私が酔いつぶれてしまったからで……」

「だから、早川は悪くないと?」


……多分。


「いいか? カコちゃんは人を信じすぎなんだよ。ガードが甘すぎ。今ので分かっただろう?」

「……早川さんは、そんなに悪い人じゃないと……」


ボソボソと言ってみる。