薫子様、一大事でございます!


北見さん……?


北見さんがここにいることと、この状況の1から10まで解明不可能なまま、黙って北見さんの腕の中にいる私。


ホッとした反面、鼓動が急加速で発進する。


このまま離してほしくないような、離してほしいような。


自分の感情の起伏にさえ着いていけない状況だった。


しばらくそうしていた北見さんは、私を引き剥がすと


「早川さん、これは一体どういうことですか?」


早川さんに厳しい表情を向けた。


「……すみません」


早川さんも今置かれている状況が把握できていないのか、目を瞬かせて北見さんを見ていた。