「なぁ、薫子、」
「はい」
「恋人代行は、もう終わりだよな？」
「そう、なりますね」
答えた私に、早川さんの視線が重なる。
――そうだ。
「ところで、私の仕事ぶりはどうだったんですか？ 望月さんにフリだってバレなかったですか？ ちゃんと恋人になれていましたか？ 合格点ですか？」
「随分と質問攻めだな」
クスクス笑い出す。
「大丈夫。二人とも全く疑ってなかったよ」
「よかった……」
一時はどうなることかと思ったけれど、お酒の力も手伝ったのか、うまくいったのなら本当によかった。
これで、北見さんにも胸を張って報告できる。
