薫子様、一大事でございます!


充電しようと思ったまま忘れていたんだ……。


……最悪。
どうしよう。


「はい、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」


早川さんが、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出してくれた。


「どうかした?」


早川さんが隣に座った振動で、ベッドのスプリングが軋む。


「あの……事務所に連絡を……」

「もう少ししたら送っていくから心配いらないよ」

「でも……」


連絡くらいはしておかないと、滝山だって心配してるに違いない。

北見さんに至っては、絶対に怒られる。