薫子様、一大事でございます!


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滝山の勧めもあって、北見さんの大好きなコーヒーを淹れて持参。


インターフォンを鳴らすと、すぐに北見さんは顔を出した。


「よかった」

「よかった?」

「中で倒れてるのかと思いました」

「……なんで」


北見さんが眉を潜める。


「私たちの後をつけている間もひと言も口は利かないし、相当疲れてるみたいだって、滝山が言っていたものですから」

「……別に」


ぶっきらぼうに返す。


「何か怒ってますか?」