薫子様、一大事でございます!


「北見さん、まさかとは思いますが、それはモモとクロですよね?」

「モモとクロだ。そっくりだろう」


北見さんは自信たっぷりに胸を張るけれど、どこをどう見ても二匹には見えなくて。

それどころか、生き物にすら見えないのだから。


「もう、北見さんってば、真面目に描いてくださいよ」

「真面目も真面目、大真面目だ」

「……本当に?」


大きく頷く。


「これがカコちゃんの目には何に見えるんだよ」


……言っていいのかしら。


「えっとですね……ゾウリムシ」

「――は?」

「あ、違うかな。ミジンコ」