薫子様、一大事でございます!


「いや、だって、これは何だ? 犬か?」

「これは、モモです。それで、こっちがクロ」

「猫? 悪いが、猫には見えないぞ? もしかして、カコちゃんって美的センスにも問題が?」


“にも”?


……ほんと、ひどい言われようだわ。


クスクスと笑う北見さんを恨めしく見た。


「それじゃ、北見さんも描いてみてください」

「俺の絵を見たら、カコちゃんが立ち直れなくなるぞ?」


枝をもう一本拾い上げ、北見さんに強引に突き出す。


すると、北見さんは渋々といった様子で、地面に二匹を描き始めたのだった。


……ん?
モモとクロよね?


……これが?