薫子様、一大事でございます!


「では、参りますぞ」


滝山がライターで点火。

すると、シュルルルルと音を立てて小さな火の玉が空に飛んでいく。


一瞬消えたかと思ったら、その直後にパンパンパンッと花火が咲いた。


その音に思わず耳を塞ぐ。

予想を超えた大きな音にビックリしてしまった。


「小さい割りになかなかの迫力だねぇ」


芙美さんの言葉に、北見さんも私も頷く。


そして、次から次へと上がる花火を私たちは縁側から見上げたのだった。


「子供たちが小さい頃は、こうしてよくやったもんだよ」


芙美さんがしみじみと呟く。