薫子様、一大事でございます!


「それとも、浮気の証拠を突き付けて、それを別れるきっかけにしたいということですか?」

「いえ、別れるつもりはありません」

「それなら――」

「分かりました! お引き受けします!」


身を乗り出して、北見さんの言葉を遮った。


「おいおい……」


北見さんが額に手を当てて呆れる。


こうして勇気を振り絞って、ここまで来てくれたんだから。

星野さんは、真実を知った上で、これからも彼と付き合っていきたいと願ってる。


でも、それ以前に……


「浮気なんかしていないっていう証拠を見つけてきます」

「何言ってんだよ、カコちゃん」