薫子様、一大事でございます!


「確かめたい?」


北見さんと私の声が重なる。


「真実を知りたいだけなんです」


星野さんは、膝の上に載せた手をギュッと握り締めていた。


「それなら、まずは彼に問い詰めてみたらいい」


うんうん。
それがまず最初のステップよね。


「もちろん、そうしました。けど、はぐらかされるというか、浮気なんかしてないって」

「まぁ、男ならそう言うでしょうね」

「――ちょっと、北見さんが聞けばいいと言ったんじゃないですか」


それなのに、“男ならそうだ”なんて。

思わず北見さんを小突いてしまった。