このままじゃ倒れる!
そう思った瞬間、身体をグイと反対側に起こしたのが原因だった。
滝山はバランスを崩して、バイクもろとも転んだのだった。
幸い、バイクも私たちもかすり傷程度で済んだのだけれど。
――ププー!
突如、後ろから鳴らされたクラクション。
前を見てみれば、信号が青に変わっていた。
「とにかく、俺の動きに合わせること? いい?」
「……はい。頑張ってみます」
ヘルメットから覗かせた北見さんの目が、シュッと細くなった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…