薫子様、一大事でございます！

「それと、バイクも借りてもいいかな」

「バイクでございますか!?」

「免許なら持ってるから心配ご無用。カコちゃん、行くぞ」

「えっ……？」


行くって、私も？


自分の胸の辺りを指差すと、北見さんは大きく頷いた。


「薫子様もご一緒ですか!?　ちょっ、ちょっとお待ちくださいませ。すぐにヘルメットをお持ちします」

「あの、北見さん？」

「何？」

「私、ですか？」

「他にカコちゃんって人がどこにいる？」


辺りをキョロキョロ。


……うん。
私以外には、いない。