薫子様、一大事でございます!


“人生に遅すぎることはない”か。


……なんだか。
北見さんにそう言ってもらえると、本当に大丈夫な気がしてくるから不思議。


北見さんの笑顔に応えるように私も笑った。



「さてと、ホームページも出来たし、ちょっと気分転換でもしてくるか」


うーんと大きく伸びをする。

そのタイミングでちょうど事務所に戻った滝山。


「銀さん、ヘルメットはもう一つある?」

「は? ヘルメット、でございますか? ええ、ございますが……」


何に使うのかと不思議そうに北見さんを見る。


滝山同様、私も何だろうかと北見さんの様子を窺った。