薫子様、一大事でございます!


素直にそう思った。


「こんなの大したもんじゃないよ」


北見さんは謙遜するけれど。


「すごいです」


ディスプレイを見ながら出てくるのは、その一言に尽きた。


「そう何度も言われると照れるなぁ」


柄にもなく、頭を掻いて照れ臭そうに笑う。


「こうして告知していかないと、依頼なんて何一つ舞い込んでこないぞ?」

「みゃあ」


北見さんの言うことはもっともだと言いたいのか、クロまで声を上げた。


二人(北見さんとクロ)の言う通りなのだった。