見かねた滝山がそう言ってくれたけれど。
「どこのお嬢様だか知らないけど、そんなんじゃ、嫁のもらい手がつかないぞ?」
「それは困ります!」
それを言われてしまったら、あっさり引き下がるわけにはいかない。
現状はお嬢様では断じてないけれど、このまま一生独身なんて寂しすぎる。
「薫子様、大丈夫ですよ。ご結婚されても、私がどこまでも仕えますから」
ほんとに!?
つい、目をキラーンと輝かせる。
滝山がいてくれたら、他には何もいらないわ。
ところが、そんな私に北見さんは、またまたキツイ一言を投げたのだった。



