それから手紙を受け取ったガーラントとアレスは慌ただしく部屋を出ていき、同行する剣士と魔導師を選出するため別棟へと向かった。


彼らと別れたキュリオは幼子を胸に抱きしめると遅めの朝食をとるために広間へと足を向け、先程侍女たちが"お嬢様"と、腕の中の赤ん坊を呼んでいることを思い出し小さく笑った。


「やはりこのまま名前がないのはよくないな…昨日約束していたね。あとでお前に名をつけてあげよう」


笑いかけるキュリオに笑顔でこたえる彼女。
アレスたちの出発の準備が整うまでもう間もなくの事だった。