城から離れ、聖獣の森へと足を踏み入れていた銀髪の王が足を止め振り返った。
「君にひとつ頼みたい事がある」
『……』
セシエルの言葉を受けた一人の青年が立ち止まり、無表情のまま彼を静かに見据える。
「…悠久の次代の王はキュリオに託す。素質は十分過ぎるほどだ」
『…そなたに衰えは感じぬが…どういうつもりだ…?』
「…引き際が肝心なんだ。いや、本当はもう少し早く交代するべきだったのかもしれない…」
『…何をそんなに焦っている…?』
「……」
何を話そうかと言葉を選びながらセシエルは銀色に輝く月を仰ぎ見る。
「もどかしいよ…彼女を呼び寄せたことで悔いが残ってしまったのだから…」
『……』
興味なさそうにセシエルの横を通り過ぎた美しい青年。
風に靡いた彼の髪が美しく金色の輝きを放つ―――。
「本当は迷っていたんだ」
金髪の青年が数歩先を行ったところで唐突に話を再開したセシエル。
「…彼女を殺すべきかどうかをね…」
「君にひとつ頼みたい事がある」
『……』
セシエルの言葉を受けた一人の青年が立ち止まり、無表情のまま彼を静かに見据える。
「…悠久の次代の王はキュリオに託す。素質は十分過ぎるほどだ」
『…そなたに衰えは感じぬが…どういうつもりだ…?』
「…引き際が肝心なんだ。いや、本当はもう少し早く交代するべきだったのかもしれない…」
『…何をそんなに焦っている…?』
「……」
何を話そうかと言葉を選びながらセシエルは銀色に輝く月を仰ぎ見る。
「もどかしいよ…彼女を呼び寄せたことで悔いが残ってしまったのだから…」
『……』
興味なさそうにセシエルの横を通り過ぎた美しい青年。
風に靡いた彼の髪が美しく金色の輝きを放つ―――。
「本当は迷っていたんだ」
金髪の青年が数歩先を行ったところで唐突に話を再開したセシエル。
「…彼女を殺すべきかどうかをね…」