―――そこから数年後、エデンは彼女の冷たく動かぬ体を抱き締めている。



"すまない…すべてが手に負えなくなる前に俺に出来たことがあったはずだ…"



そう後悔するエデンの前で…漆黒の衣を身に纏った長身の男が声をあげた。



"何を今更…っ!!彼女を見捨てた貴様が言えた事か…っっ!!"



エデンに掴みかかるクジョウの手は震えている。



"…おやめなさいクジョウ。エデン殿のせいでは…ありません……"



白い腕が伸び、怒り狂うクジョウを制したのは…これ以上にない絶望に項垂(うなだ)れるセンスイの手だった―――。