「…っ……!!」
一瞬…
光に包まれた大剣を手にした彼が、薄笑いを浮かべている映像が流れた。
そして無残にも断ち切られた戒めの術―――。
天才と謳われた若き魔導師・アレスの手から魔導書が無造作に離れていく。
支えを失ったそれが彼の足元で撃ち落とされた小鳥のようにページを広げたままバサリと落ちた。
(な、なんだ今の…デジャヴ…なの…か?)
落としてしまった魔導書を拾おうとするアレスだが、震えた手がなかなかいうことをきかない。
「…おや?その反応…なにか思い出せましたか?」
尚も楽しそうに笑っている彼だったが…
「とはいえ…貴方に付き合うのもいい加減飽きました。時間切れです」
スッと冷たく細められた瞳に射抜かれたアレスは動けない。
彼の言動から推測するに、互いに顔を合わせているに違いない。ということは…
(…キュリオ様に…お知らせしなくては…っ…)
(…やはり記憶違いなどではなかったっ!!こいつこそ…もっとも危険な"あの男"だったんだっ!!)
「…キュリオ様っ!!」
「…キュリオ…
その忌々しい名をまた聞くことになるとは…ですが、こうして与えられた好機に感謝しなくてはいけませんね」
右手を振り上げた男に対し、
迫りくる巨大な力にぎゅっと瞳を閉じたアレスだったが…次に届いた声はまったくの別人のものだった―――。
―――バターン!!
勢いよく屋上の扉が開いたと思ったら…
「お母さまーっ!!」
一瞬…
光に包まれた大剣を手にした彼が、薄笑いを浮かべている映像が流れた。
そして無残にも断ち切られた戒めの術―――。
天才と謳われた若き魔導師・アレスの手から魔導書が無造作に離れていく。
支えを失ったそれが彼の足元で撃ち落とされた小鳥のようにページを広げたままバサリと落ちた。
(な、なんだ今の…デジャヴ…なの…か?)
落としてしまった魔導書を拾おうとするアレスだが、震えた手がなかなかいうことをきかない。
「…おや?その反応…なにか思い出せましたか?」
尚も楽しそうに笑っている彼だったが…
「とはいえ…貴方に付き合うのもいい加減飽きました。時間切れです」
スッと冷たく細められた瞳に射抜かれたアレスは動けない。
彼の言動から推測するに、互いに顔を合わせているに違いない。ということは…
(…キュリオ様に…お知らせしなくては…っ…)
(…やはり記憶違いなどではなかったっ!!こいつこそ…もっとも危険な"あの男"だったんだっ!!)
「…キュリオ様っ!!」
「…キュリオ…
その忌々しい名をまた聞くことになるとは…ですが、こうして与えられた好機に感謝しなくてはいけませんね」
右手を振り上げた男に対し、
迫りくる巨大な力にぎゅっと瞳を閉じたアレスだったが…次に届いた声はまったくの別人のものだった―――。
―――バターン!!
勢いよく屋上の扉が開いたと思ったら…
「お母さまーっ!!」