「どきなさい」
キュリオは声を低くし、表情を変えぬまま短剣を握りしめ呟いた。やがて…眉間に皺を寄せている女官はそっと侍女たちの肩を叩き後ろに下がらせる。しかし、これから起きる惨劇に耐えられないといった様子の侍女たちはバタバタと部屋をでていく…。
ゴクリ…
緊張に顔をこわばらせた大臣が生唾を飲み込む音が響いた―――
「すまないね…」
目を伏せたキュリオが手を動かすと、スッと短剣が柔らかい肌を滑り…ツーッと一筋の鮮血が流れていった――――
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