「ボトルはたしか…このあたりにしまってあったな」


火の加減を気にしながら棚に近づくと、いくつかの小さなボトルが目立つところに並べられているのが見えた。


(…皆に気を遣わせてしまったな)


見て見ぬふりをしながら助けになってくれる者たちに内心感謝しながらも、キュリオはあたためたミルクをボトルへと移していった。


今度は布に包まずとも、ほんのりあたたかい程度だ。


「初めてにしては…上出来か」


ボトルに栓をし、自室を目指す。なぜかその足取りは軽く、眠気も感じない。
さらには彼女が起きていくれていたら…とまで願ってしまっている始末だ。