普段厳しい顔をしている彼だが、実はとても面倒見がよい。
こうして仕事のあとに皆を部屋に招き入れては労(ねぎら)い、もてなしているという噂はよく耳にしている。だからこそキュリオはそんなジルをさらに労うのだった。

そして…気心の知れた彼と、他愛もない話に花を咲かせること約一時間。
差し入れた酒をたいそう気に入ったジルはほろ酔い気分で寝台へと転がっていった。キュリオが部屋を訪れる前からアルコールが入っていたらしく、すっかり出来上がってしまっていたようだ。


「遅くに邪魔したね。おやすみジル」


苦笑しながらジルの体にシーツをかけてやると、キュリオは部屋の明かりを消し静かに部屋をあとにした。