「その赤ん坊が…なんだって言うのよっっ!!」




―――ダッ!!




鋭利に尖った切っ先をアオイに向け、ウィスタリアは幼い少女目がけ勢いよく突進してくる…




(この女さえいなくなればっっ!!)




無防備な赤ん坊の背が血に染まる様を想像し…恐ろしい女神は束の間の悦楽に酔いしれ、不気味な笑みを浮かべていた―――






――――――…






(…何故だ?なぜこんな時に胸騒ぎが…)




「……」




「…キュリオ様?」




キュリオは目の前のマゼンタには目もくれず、不可解な胸騒ぎに焦りを感じていた。