ただ白い液体。
としか彼女の目にはうつっていないため、
悩むように首を傾げている。

「ミルクだよ。
自分では人肌がどのくらいか…よくわからないものだね」


照れたようにクスリと笑ったキュリオを見て、
侍女も「ふふっ」と声を漏らして笑う。


「もしや…噂のあの子にでございますか?
もしそうならキュリオ様が直々にやらずとも…」


と、そこで言葉を区切り目を細める侍女。


「しかし、キュリオ様にそのように微笑まれては…
私も応援したくなりますわ」


今までにない幸せそうな顔をして笑う、このキュリオの微妙な変化は彼をよく知る者にはすぐにわかるのだった――――