―――いまから五百年以上も昔。

キュリオが王に即位して間もないころ、頭では理解しているものの心が受け入れられず…そのことで辛い思いをしたことが何度もあった。だがそれが自然の摂理だと考えてしまえば理性が働き、すぐに王として気丈に振る舞うことが出来るようになってしまったのだ。


しかしそのことで…彼はいつしか悩むようになる。


(…私は冷たい人間なのだろうか…)


何度、自問自答してもこたえは見つからない。いつか同じ境遇の他国の王や、先代の王たちの話が聞いてみたいと思っていたキュリオは運良く、自分より長く生きるひとりの王と接点を持つことになるのだった―――