[雷の国]からの書状に目を向けたまま動きを止めたキュリオ。すると背後で見ているガーラントは彼の異変に気づき、小声で話しかけた。


「…いかがされましたか…?」


大魔導師の声に振り向いたキュリオは静かにこう告げた。



「ガーラント…彼女(アオイ)は間違いなくこの国で生まれた悠久の民で、私の娘だ。いいな」



「…仰せのままに」



彼の言葉から[雷の国]の返答が何だったか容易に想像できてしまったガーラントは、キュリオの言葉に頷くと深く一礼し一歩下がった。