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「あれは仕方ないって」
気分がブルーのまま球技大会がはじまった。そしてなんの戦力にもならないし、一回もボールに触らないまま試合終了。
結果3―0で俺たちの負け。
落ち込んでいるのは一回戦敗退だからではない。それはもうトーナメントが発表されてからクラスメイト全員が知ってた。
「あの先輩って意気がってるだけだけど、けっこう悪い噂も聞くし。関わらなくて正解だよ」
参加賞のスポーツドリンクを飲みながら杉野が言う。
自分がヘタレだということは自覚しているし、
あの場で先輩を追い払う度胸があったらそもそも俺はもっと人生を楽しくやっている。
元いじめられっ子だし、メンタルの弱さと打たれ弱い性格はなんら成長してないことも分かっている。
別にあいつなら助けなくても先輩を余裕で蹴散らしただろうし、俺だって助けようとして名前を呼んだわけじゃない。
――『本当にあんたって……カッコ悪いな』
なんなんだよ。その他人行儀な言い方は。
いつもなら『ダサ』とか『よわ』とかそんな風にからかって終わるじゃん。
お前だって俺が助けられない性格なのは知ってるだろ。
それとも……少しは期待したっていうのかよ。
自分でできるくせに。自分であんなヤツ追い払えるくせに、俺が間に入って〝やめろ!〟なんて言うとでも思ったのかよ。



