小さな揺りかごに乗っている写真もお互いに表情はなくて、手を耳の横で握りしめたまま同じ顔で眠ってる。
それから少しだけ成長して、ふたりでハイハイをしてる姿や、つたい歩きをしてるところ。
オモチャの取り合いをしてるところや、上機嫌で大笑いしてるところ。
歩けるようになって言葉を覚えて3歳を迎えて、同じ保育園に入園した。帽子がブカブカで不格好な園服を着て、これも並んで写真に収められている。
……本当に俺たちって、ずっと一緒だったんだな。
「あ……」
思わず独り言を言ってしまったのは、莉緒が一番気に入っているあの豆まきの写真を見つけたから。
正直、泣き腫らしたあとの自分の顔なんてカッコ悪くて見たくない。
俺は弱かった。ものすごく。
からかわれても言い返すことができなくて、悔しい気持ちはあるのに一歩踏み出す勇気がない。
もしかしたら、莉緒を強くさせてしまったのは俺かもしれない。
だって俺はあいつの泣いた姿を見たことがない。
弱音も言わない。ツラい顔も見せない。
苦しいことも全部自分で隠してしまう。
間違いなく、莉緒を強くさせたのは俺だ。



