あれから何度かメールをした。
だけど返事は返ってこない。
そもそもあいつが寝坊なんて絶対にするはずがないんだ。だからきっとなにか体に異常があったに決まってる。
家のインターホンを押したけれど返答がない。
それどころかこんなに暑くてまだ昼過ぎだというのに窓とカーテンがしっかりと閉められていた。
……だれも家にいないのか?
莉緒の母ちゃんは仕事だとしても姉ちゃんはいると予想してたし、学校を休んだ莉緒までもが不在。
やっぱりなにかあったんだ……。
いてもたってもいられずに何回かインターホンを押したり、家の前で暫く待っていたけど誰も帰ってくる様子はなかった。
「あら、玲汰がご飯残すなんて珍しいわね」
その日の夜。
今日は俺の好きなカレーなのにスプーンがあまり動かない。母ちゃんに相談しようと思ったけど母ちゃんはまだ莉緒の病気のことを知らない。
莉緒が前に貧血で倒れた時に大騒ぎしてたぐらいだから、脳腫瘍なんて話したら大騒ぎどころでは済まないだろう。
……それに、やっぱり莉緒が話さないことをあいつがいない場所で話すのはなんか違う気がして……。
晩ごはんのあと、俺はもう一度莉緒の家に行ってみたけど20時過ぎだというのに家は真っ暗なまま。
なあ、莉緒。
お前いまどこにいんの?
なにをしてんの?
なにが……あったんだよ?
分からないことも知らないことも多すぎて、
あいつの存在が遠く感じる。
ずっと一緒にいたはずなのに。
毎日毎日、顔を合わせていたはずなのに。
もう会いたくて仕方がない。
いつから俺は莉緒に対してこんな感情を抱くようになったんだろう。
俺の日常に莉緒がいないと、
こんなにも寂しい。
そんなことに今さら気づくなんて、俺は本当に情けないぐらいバカだ。



