玲汰、知ってる?



そのあと俺はとりあえず学校に行ったけど、莉緒のことが気になって仕方がない。

数秒置きに窓の外を確認したりして。それでも朝のホームルームがはじまってもあいつは学校に来なかった。


「池内。そろそろ移動しないと終業式はじまるぞ」

「え……ああ、おう」

今日は1学期最後の日。

体育館では全校生徒が集められて、学期の締めくくりとして長い校長先生の話が続く。

俺はチラッと3組の女子の列に目を向けた。


……やっぱり莉緒はまだ来てない。

いるはずの場所にはぽつんとひとり分のスペースが空いていて、莉緒のいない現実を突きつけられている感じだ。

たかが寝坊だ。べつに大したことじゃない。

そう繰り返し思っているけど、やっぱり俺の頭はあいつのことばかり。


「池内くん。今日クラスのみんなでカラオケに行くんだけど行かない?」

終業式が終わって担任の話も終わり、クラスメイトたちはこれから遊びに行くらしい。

せっかく誘ってもらったし杉野も行くらしいけど俺は断った。そしてそのまま急いで莉緒の家へと向かった。