「いるいる~!帰って来てから、ずーっとダラダラしてるの。愛梨ちゃん、喝入れてあげて~!」



陽平には他に年の離れたお兄さんが2人いて、2人共結婚して家を出ている。


今は陽平とおじさんしかいないから、おばさんはすごく寂しいみたい。



あたしのことを本当の娘のように可愛がってくれるし、そんなおばさんが昔から大好きだった。



「お邪魔しまーす」



家に来たのはいつが最後だろう。


懐かしいなぁ。


陽平んちの匂い。


おばさんの人柄のせいか、優しい匂いがして安心する。



「陽平は部屋にいるよ。後でお茶持って行くね」



「ありがとうございます。すぐ帰るんで、お構いなく~!」



おばさんにニコッと微笑んでから階段を上がった。


会いたくないけど、仕方ないもんね。


用事が済んだらすぐに帰ろう。