ただ私は祈った。 じゃないと怖くて。 すがるように、手をあわせ 神様、と小さく呟く。 見つめた先には一枚の絵。 勝負の言葉『花』にかけて、様々な花を描いた――私の力作。 五枚の中から選ぶ最優秀賞が、今発表されようとしていた。 ただの文化祭のポスター。 それの最優秀賞に選ばれるか選ばれないか、ただそれだけ。 だけど、私には一生をかけたといってもおかしくはないものだった。