「ば、ばかじゃないの…!?」
発した言葉が、震えた。
これじゃ動揺してるのがバレバレじゃん。
確かにイケメンだし頭も良いけど、性格が悪すぎて話にならない。
こんな裏で何考えてるか分からない腹黒イケメン、お断り。
それに、第一あんたは、芽依が好きじゃない。
諦めきれずに、未だにズルズル想ってるくせに。
知ってるんだから。
持田と楽しそうに帰る芽依の背中を寂しそうに見つめてること。
好きな子がいるからって、今も女の子からの告白を断ってることも。
芽依への恋心を捨てられないんじゃなくて、捨てようとしてないことくらい、知ってるもん。
「へー、違うの?」
「当たり前でしょ」
だから、絶対に、好きなんてならない。
報われないって分かってる恋になんて、手を出さない。
だってそんなの、悲しくて、苦しいだけだって考えただけで分かるから。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)
