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私をソファーに座らせ、薄暮さんは床に正座する。

そのまま、彼はゆっくりと話を始めた。




「あなたは『カゲロウの血』であり、八峠さんもそうです。 身近なところだと、藤堂 秋さんもですね」

「……はい」

「『カゲロウの血』に共通するのは、全員幽霊が視えるということです。 それぞれが持つ力の強さに差はありますが、『視える』というのは変わることのない事実です」




当たり前のことを当たり前に言う薄暮さん。

けれど私は、薄暮さんの顔を見つめながら真剣に話を聞いていた。

一字一句聞き逃さぬよう、自分でも驚くほどに集中しながら。




「何故『カゲロウの血』と呼ばれるのか? それは陽炎(カゲロウ)という人物に由来しています。
カゲロウは強い力を持ち、その力を使って呪術を行っていました」

「じゅ、じゅつ……?」

「呪い、と言えばわかりますか? カゲロウは人を呪う仕事をしていたんです」




呪い……。

カゲロウは、強い力を使って人を呪っていたの……?