病室の窓から外を眺めると、遠くに山が見えた。




山に生える新緑の木々たちは、空の青さにあいまってより一層綺麗に見えた。







僕は美和はたずねる。




「ねぇ、美和。ここは何階?」




「4階だけど」




「少し外の景色が見たい。窓際まで肩を貸してくれる?」




「だめよ、安静にしてなきゃ。今の竜也の身体ボロボロなんだから」





「・・・お願い。少しだけ」






彼女は小さなため息をついて、わかったと椅子から腰をあげた。