ふと、頭の中でこんな疑問がよぎった。



はたして、綾乃と良太は会いたい人に会えたのだろうか。




良太は父親に。



綾乃は弟に。



確かめようはなかった。




ただ、すぐにそんなことを考える必要はないことに気づいた。




美和の名前を書いた僕が、今こうやって再び美和に会えたのだ。






きっとそれが答えだ。