正直、綾乃と良太が死んだと言う事実はショックだ。




しかし、実感がわかなかった。




だって僕らはついさっきまで一緒にいて、あの青い部屋で遊びほうけていたのだ。



死んだと言われても、現実のことのようには受け止められなかった。




きっと2人の死を悲しむのはもう少し先のことになるだろう。




今は。



さっき美和が言ってくれた”生活費よろしく”の一言の嬉しさで、僕の心は満たされていた。





だってこの言葉は。




喧嘩して家を出て行った美和が再び戻ってきてくれるという意味を含んでいるのだから。