家具は一切置かれていない。 ただただ広い赤い空間が広がっている。 不意に自分の後方から、誰かのうなり声が聞こえた。 かすかな声で、聞き逃してもおかしくないほど、小さなうめき声だった。 後ろを振り返ると、二人の人間が仰向けで床に倒れていた。