その時突如、綾乃の後ろにある扉が開いた。 その扉はとても古い木製の扉で、この部屋の唯一の出入り口だ。 この部屋に他の扉は存在しない。 たてつけも悪く、床とこすれてギィィィィ・・・と、耳障りな悲鳴のような音を立てて、ゆっくりと開いた。 僕らは誘拐犯かと思い、身構える。 しかし扉の先には誰もいない。 扉がひとりでに開いたのだ。