あったかい……


ぴ-------っ


公園通りの横に通りかかった時、


甘い香りが鼻をくすぐる。




蒸気の音と一緒に、


「あったか~い焼き芋だよ!

 栗よりおいしい十三り!

 ホッカホカの焼き芋だよ。

 とれ~たて、

 出来立て

 秋の味だよ~」


ちょっと延びちゃったような間延びしたテープの声が郷愁をそそる。


「おじさん焼き芋1つちょうだい」

「ああ、おねえちゃん今日はもうお姉ちゃんで終わりだから、

 大きいの二つサービスしとくよ。

 はいまいどあり五百万円」



「ありがとうございます。」


気前のいいおじさんはうんうんと

頷きながら、

渡した500円を前掛けのポケットにしまって、

「寒くなってきたから、

 風邪なんかひかないようにね。

 またよろしくね。」

飛びきりの笑顔を送れた。


茶色い紙袋に≪あった~い≫と印刷されて、

気分は何となくほっこり。


ずっしりとした重さと、

甘い香りと温かさ。

乙女の気持ちがっつりつかまれるわ。