ぶるっ
さむっ
昼間はまだそんな感じないけど、
夜は冷え込むなあ。
カラカラン
缶が落ちる音に振り向くと。
≪毎度ありがとうございます。
寒くなってきました風邪なんかひかないでね≫
自販機から声がする。
自販機で缶コーヒーを買ったくたびれたおじさんが、
一瞬笑顔になった。
何ともまあ、
家族でも言わないやさしい声を
今は機械から聞けるのかい。
いい時代なんだか変な時代なんだか。
自販機を通り過ぎて一メートルくらい歩いてから、
ふと気になってもう一度振り向く。
そこにはもうさっきのおじさんはいなくて
商品の飾ってあるウィンドーと、
ボタンが明るく発光していた。
私は戻って、
ポケットを探りさっき居酒屋でもらったお釣りをコイン口に入れた。
≪いらっしゃいませ、あったか~い飲み物はいかがですか≫
ミルクティーのボタンを押すと、
ガタガタンと
落ちて、
≪ありがとうございます。明日も元気で頑張りましょう≫
かわいらしい声で、音声が流れた。
「うん、どうもね。」
機械相手に返事をしてしまった。
さむっ
昼間はまだそんな感じないけど、
夜は冷え込むなあ。
カラカラン
缶が落ちる音に振り向くと。
≪毎度ありがとうございます。
寒くなってきました風邪なんかひかないでね≫
自販機から声がする。
自販機で缶コーヒーを買ったくたびれたおじさんが、
一瞬笑顔になった。
何ともまあ、
家族でも言わないやさしい声を
今は機械から聞けるのかい。
いい時代なんだか変な時代なんだか。
自販機を通り過ぎて一メートルくらい歩いてから、
ふと気になってもう一度振り向く。
そこにはもうさっきのおじさんはいなくて
商品の飾ってあるウィンドーと、
ボタンが明るく発光していた。
私は戻って、
ポケットを探りさっき居酒屋でもらったお釣りをコイン口に入れた。
≪いらっしゃいませ、あったか~い飲み物はいかがですか≫
ミルクティーのボタンを押すと、
ガタガタンと
落ちて、
≪ありがとうございます。明日も元気で頑張りましょう≫
かわいらしい声で、音声が流れた。
「うん、どうもね。」
機械相手に返事をしてしまった。